上手な落馬の仕方
 変な質問で申し訳ないのですが、上手な落馬のし方があれば教えてください。

 50鞍ちょっとの初心者ですが、すでに2度落馬しています!一度目は駆歩の輪乗りに初めて挑戦したとき、馬が輪乗りのコースからはずれそうになったので、姿勢のとりかたもわからないまま無理やりもどそうとして、指導員のかたの「そんなに体をねじると・・」という声を聞いた矢先に外側のお尻から落ちました。
 二度目は、風でゴーゴー揺れる草をいやがってビタ止まり、部班の直線を逆に進もうとした馬を戻そうと手綱や脚を使ってケンカになったとき、かなり強く手綱を引いた瞬間、バタバタっと手綱方向(内側)にその場駈歩のように自転され、かなり頑張ったけど動きについて行けずに外側に背中から落ちました。

 いずれも怪我はなく、指導員のかたが乗り変わって調子をみてくださってからすぐ乗れて問題ありませんでしたが、これから落馬する可能性が増えそうな気がします。一度目と二度目は別のクラブで、いずれも5〜10鞍乗ったことのある馬でした。

 二度目の馬は、初めて乗った頃は勝手にフラフラ動いて止まってしまったりされるショートカット魔だったのが、少し慣れてきて私が鞭なども使ってあーしろこうしろというのを聞いてくれるようになってきたところで、指導員のかたに「本当はどうすればよかった(落ちずにうまく乗れた)のでしょう」と聞くと、「今のはしかたがない。左の口が固くなってたところを強く左に向けようとしたので、口も首の筋肉も突っ張って、そこから逃げようとして急に左に回ってしまった」と。たしかに、乗り変わっていただいた後は、手綱の感触が柔らかく感じました。

 馬のことをなんにもわかっていない初心者があーしろこうしろというのは、馬にとって甚だ迷惑なことだろうと、再び実感しました。「馬が反抗するエネルギーも、ボーッと歩かせていたころと違って大きくなるので、多少動かせるようになると落馬のリスクは増える。上手くなるとまた変わってくる」と言われました。もちろん、馬が不快ではなく動いてくれるくらい上手に乗れるようになりたいし、馬そのもののことも知っていきたいのですが、当面、「怪我しない落馬」を心がけないとダメかも・・と思ってしまった次第です。

 手綱をなるべく握って、鐙ははずれるようにしたほうがいい、というのはわかっていますが、バタバタされたらしがみつくのがやっとで、お尻が鞍からはずれたらとても乗り続けることができません。別の指導者のかたには、「落ちないにこしたことはないが、無理をしすぎず、するりと落ちた方が安全なことが多い」と言われました。

 鐙上げの速歩も立ったままの常歩もまだまだできませんが、上達を心がけつつも、危険の少ない落馬の仕方があれば、ぜひ教えてください。

(46歳・女性・乗馬歴3か月・55鞍)
 50鞍くらいで、あなたのような悩みを持っている人は多いと思います。
 始めは馬任せで動きについて行くのが精一杯で馬をコントロールしようとは思いませんが、馬を御そうすると、あなたのようなことも起こって来るでしょう。先生の言うように上達のプロセスなのでしょうが、落馬などのリスクはなるべく少なくしたいものです。
 熱心な人ほどそうなのですが、上達を急がないことです。駈歩をしたいのであれば速歩で20mの輪乗りが正確に出来るようにすれば落馬のリスクは減ります。
 もう一つは馬に運動をさせようとする前に自分がその運動をするようにしてみてください。例えば馬を曲げてからついていこうとすれば、必ず馬の口を引っ張ってしまいます。自分が先に曲がれば問題は起きません。
 すべての運動が乗り手が先に行動し、馬がそれに従うようにすれば良いのです。もし、馬が従わなかったとしても、乗り手は運動を理解しているのですから、落馬することは少ないでしょう。

(ジョーバ博士)


戻る